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PRAY FOR JAPAN〜音魂よ、響き渡れ!

2011年8月8日  天地人 大間ジロー

 このたび、日独交流150周年という記念すべき年に、第16回ミュンヘン日本祭り(ヤーパンフェスト)が、7月17日にミュンヘン市英国庭園にて開催されました。私たちは、そのメインゲストとしてお招きをいただき、たくさんの観衆の前で演奏してきました。年に一度の日本祭りは、日本の伝統的な文化、芸術のブースがたくさんあり、とても賑わっておりました。しかも会場内には、日本のアニメキャラクターのコスプレの若者たちがたくさんおり、これには驚きました。アニメ先進国の日本は、こうして世界にも浸透しているのですね。

 今回のドイツの演奏旅行は、3月の東日本大震災のこともあり、ドイツ始めEU諸国から復興のサポートをしていただいた御礼の意味合いもあったと思います。個人的な私の想いですが、今回持参したバスドラムには、「PRAY FOR JAPAN」と書いた文字をデザインしたフロントヘッドを掲げました。そして、もうひとつシンボル的な楽器を持参しました。岩手県山田町織笠で被災し、自宅も何もかも無くした橋浦恒一君からお借りした「カホン」です。彼は昔からのオフコースファンで、音楽を愛し自らもドラムを叩き、様々な楽器を集めていましたが、津波ですべて流されたそうです。5月末に、別のユニットで織笠でのチャリティーライブを行った際、彼自身からお話を聞きました。「ジローさん、その中で、奇跡的に、このカホンが瓦礫の中から見つかったんです」・・・・。橋浦君は、ぽつりと言いました。「よし。それなら、今日お借りして、俺が叩くよ。いや、叩かせてもらいます」・・・・。
こうして、鎮魂の想いを込めて、彼の楽器をお借りしました。そして、このたびのドイツでも・・・。

日本祭り当日、天地人の「雪奉り」で、橋浦君のカホンの音は、ミュンヘンの大空に響き渡りました。織笠で見たあの光景を思い出しながら、溢れる想いをこらえながら、私も精一杯演奏しました。大沢しのぶも、もちろん額に汗をにじませながら、バチに祈りを込めて演奏していましたし、ラストは、黒澤博幸が鎮魂と復興の想いを込めて創った新曲「雲漢」も披露。おかげさまで、大きな拍手と声援をいただきました。「やってまーれ! やってまーれ!」大槌町と山田町の避難所で収録した皆さんの声も、ドイツの天空の神様につながったと感じました。

 わずか三泊の短いドイツミュンヘンの旅でしたが、湿度が低く過ごしやすいこの地が大好きになりました。もちろん、名物のバイエルンビールも堪能しましたし、同日に「なでしこジャパン」がW杯で優勝するというステキなシンクロニシティーもあったりしたことも、併せてご報告いたします。

 最後になりましたが、このたびの主催である在ミュンヘン日本国総領事館の水谷総領事御夫妻とスタッフの皆様にはとてもお世話になりましたこと、心からご感謝いたします。バイエルン独日協会、ミュンヘン日本人会の皆様にも、とてもよくしていただき感謝いたします。また、現地コーディネーター含め今回の公演一切を仕切ってくれた阪本久美子さん、ありがとうございました。サポートをしてくれた新井御夫妻にも心から感謝いたします。そして、ふるさと秋田からわざわざドイツまで、天地人応援団としてツアーを組んでいただいた伊藤生子さんと友人の皆様、本当に嬉しかったです。ありがとうございました。

 もちろん、一緒にはドイツに行けませんでしたが、いつも応援してくださる皆様、被災地で応援して下さる皆様の想いも熱く、多くの感動を感じた旅であったことにも深く感謝いたします。ありがとうございました。